前回の記事では、脳は情報を選んでいるということを書きました。全ての情報を取り入れているのではなく、自分に必要だとインプットされたものを選んで取りこんでいる。必要だとインプットされたことは、今までの経験の中から無意識に大切であろうと思ったことだったりします。今の自分は覚えていないようなこと。

 

必要だとインプットされたことから今の情報を選んでいるので、今までと同じように行動してしまうような情報しか入ってこないことになる。RASは「現状維持」をするように情報を選んでいる。

 

情報は選ばれて入ってきている。そして情報は湾曲されやすいということを今回はフォーカスしてみます。

 

情報は湾曲されて都合の良いように解釈されている。

1.右脳と左脳の働き

脳には、大きく分けると右脳と左脳があります。

 

右脳の働きは、感覚やイメージ認識。ひらめき、直観、図形、映像、空間などの処理をします。

 

左脳の働きは、言語や計算認識。読む、書く、話す、計算、理論的など知性的な処理をします。

 

右脳は左半身を動かし、左脳は右半身を動かす。大まかに見て見ると右脳と左脳の働きは別々のことを担っていることがわかりますか?

 

脳の働きはもっと細かく分かれているので、言葉を聞いて理解するのはウェルニッケ中枢。言葉を話すのはブローカー中枢のように細かく働きは分かれていますが、大きく大きく分けるとだいたいの働きが右脳ではイメージ、左脳では理論的な考えといえます。

 

右脳と左脳を繋いでいるのが脳梁(のうりょう)と呼ばれる神経線維。この脳梁が橋となり右脳と左脳を繋げています。

2.脳梁の働き

脳梁(のうりょう)は右脳と左脳とつないでいる「橋」です。この橋がなくなるとどうなるのか?事故などで断裂してしまったり、てんかんなどの病気の手術でこの脳梁を切断する手術が行われることもあります。生まれながらにこの橋がうまく作られていない子もいます。

 

脳梁がないとどうなるのか?多くの人は、今までのように生活ができます。

 

脳梁がなくても生活ができると聞くと、脳梁は別にいらないのか?と思ってしまいますよね?今までのように。「ように」生活できているだけで、今まで同じではない。

 

脳梁が断裂している人を対象に色々なテストをしているのですが、右脳はイメージ。左脳は言葉を司っている。

 

右脳に、リンゴを見せて。そして何のカードを見ましたか?と質問すると左脳はリンゴのカードを見ていないので「カードを見ていません」と答える。右脳は見た物はわかりますが、それを言葉にする機能がないので、リンゴという言葉が出てこない。

 

右脳には雪の写真を見せて、左脳には鳥の足の写真を見せる。関連する絵はどれですか?と見せてない写真を並べた時に、右脳は雪の絵を見ているので、雪かきをするスコップを選んだ。右脳は言葉に変換できませんが、イメージを連想するのは得意なので写真を見ると自然と右脳が働き雪の景色に関係するものを選びます。

 

右脳は雪かき用のスコップを選びましたが、左脳はその理由がわかりません。本来であれば、脳梁が橋渡しとなりどうして選んだのかが共有されますが、橋がなくなっているので、左脳は雪を見たからという理由はわかりせん。

 

しかし!

 

左脳は鳥の足の絵を見ているので、鶏小屋の掃除をするために選びました。と理由を作り上げることができます

 

理論的に考えるのが左脳です。なので、左脳は鳥の足とスコップの共通点を考えてそれを繋げて理由を考えることができます。

 

右脳で考えて選んだスコップですが、左脳はいくらでも情報を作り上げることができます。言語として情報を作ります。あたかもそれが本当のように、理由を作り上げることができるのが左脳です

 

右脳でみたもの、考えた物がそのまま左脳の言葉にならないこともあります。

 

橋渡しをしていないとまるっきり情報の共有をされませんが、私たちが感じたことを左脳がどのくらい理解して言葉にしてくれているのか?感じたことをどういう言葉に変換しているのか?疑ったことはありますか?自分が考えていること文字にしていたり、読んでいることと感じていることが、右脳と左脳ともしかしたら少しずつ違いが出ていることもありそうですよね。

 

私たちは左脳教育で左脳が働きやすい環境にいます。右脳が感じた感覚をどこまで言葉化できているのでしょうか?

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3.なくなっても芽生える力

私たちの体は不思議なもので、切除してしまったとしても、その機能を補うような働きをする場所が出てきます。右脳を全てとってしまっても左脳に右脳の働きをする場所が出てきたり、胃をすべて取ってしまっても、胃の働きをするような袋ができたり。必ずそうなるわけではないのですが、説明できない不思議な働きをしてくれるのが人間の体でもあります。

 

説明できない不思議な働きのことを可逆性と言い、全ての人が同じようになるわけではないですが、損傷した機能を復活させようとする働きが備わっています。

 

脳梁の切断手術を受けた人を対象に右脳の言語化の訓練をして、右脳でも言語を理解できるようになった人たちを対象にテストをすると。

 

言語が理解できるので、右脳にも言葉を使って聞くことができます。

 

昔いじめられたことがある患者にそのことをどう思っているのか?と聞いた時に左脳は「無関心」な反応でしたが、右脳は「まだ怒っていた」

 

右脳でも答えられるようになった人に将来何になりたいのか?と聞いて左脳は「製図者」と答え。右脳は「カーレーサー」と答えた。

 

妻とトラブルがあった患者の右脳は「怒っている」と言い左の手で妻を殴ろうとしているのを、左脳は、右脳が怒りの行動をするのを止めようと必死になっていたりする。

 

自分自身についてどう感じているのか?と聞くと左脳は「まだまだだ」と答える。右脳は「好きです」と答える。

 

どの患者も右脳と左脳で別の人格のように考えがわかれた。どの実験でもどの質問にも右脳と左脳はまるで違う答えを出す

 

気分や感情、意見が違うということは、右脳と左脳は別々感じるシステムがあるということかもしれない。

4.右脳と左脳の考え方

右脳はどちらかというと感情的になり、左脳は理論的である。左脳はイメージが掴めないと理解している中で結論を作り上げることができる。

 

ということは、左脳は知っている中で解釈をする。本当に起きていようが起きていまいが関係なく自分にとって都合の良い解釈をするのが「左脳」。

 

私たちの右脳は言語化できないので、イメージで左脳へと橋渡しをする。イメージの情報なので、見た物から何を感じるか?というのはその時その時で変わってくる。見た物から過去の嫌な思い出を思いだしたら、それを今感じているものとして左脳へと渡してしまう。

 

それを、左脳は都合よく解釈して、今見ているものとつじつまが合うようにして言語化している。

 

ということも考えられると思いませんか?

 

右脳と左脳は違う感覚を持っていることがわかってきたが、私たちの右脳は言語化することができない。右脳が感じたことを左脳が言語化している。

 

この言語化するときに何が起きているのか?

 

本当に感じたままをそのまま解釈しているのか?と疑った時にそれは見たままその通りに解釈しているとはいいがたいことが「脳」では起きてそうではないですか?

 

そもそも私たちの右脳と左脳は違うことを感じている。それをどう1つの個人として感じているのだろうか?

 

言語化できないような感情を感じた時、何でそれをしてしまったのかわからない時ってありませんか?

 

それは、左脳が右脳を理解できないから言語化できないということにもなる。

 

私たちが見ているこの世の中というのは、左脳の言語化システムによって、都合の良いように捻じ曲げられている可能性がある。

5.自分を疑う

自分の過去をまずは疑う。左脳はあまり気にしていないことが、上の実験の結果がからわかると思いますが、右脳は感情的になり覚えていることが多い。

 

自分の過去に感じた感情を左脳が言語化し、右脳が感じている感情を左脳は今の状態とつじつま合わせをして言葉としている。という考え方もできませんか?

 

左脳は、推理することもします。次はこうなるであろう?という考えをします。理論的にするためにはつじつまを合わせないといけないので、それに合わせるように言語化して過去の記憶をねつ造したり、今感じている感情をねつ造している可能性もありますよね?

 

自分が見ていること感じていること、そして体験してきたことが全てではない。というのを脳の錯覚から理解できますか?

 

自分の考えていることが全てではない!自分が見ていることが全てではない!

 

見たいように真実を捻じ曲げているのが普通に行われている。

 

あの子はよく嘘をつくと感じることがあるのは、その子の脳の中ではそう変換されていて、そういう世界の中にいるから。

 

遠くで人がこちらを見ながら話しているのを見て。あの人たちは私の悪口を言っているんだ。って悩む人が多いですが、悪口を聞いたわけでもないのに、悪口だと決めつけ、その理由を永遠と語ることができるのも「脳」の仕業です。

ラインが既読になっても返信がないからと、嫌われたかもしれない。他の人と一緒にいる方が楽しいんだ。私には何の価値もないんだ。だから大切にされていない。と感情的になるのも、愛されていない理由が次から次へと出てくるのも、脳の仕業だという気がしてこないですか?

 

自分の解釈の仕方や物の見方を変えない限り、自分が思っている世界から抜け出せない。

 

右脳が感じている感情がいつのものかわからなくても、左脳は一瞬で今起きていることのせいにしてしまう力がある。

 

昔起きたことの記憶は、全て感情に基づいて左脳が都合の良い言語化をしているだけ。

 

未来への不安も、今まで起きたことから左脳が計算して、こうであるはずと決めつけをして他の道が無いようにしている。

しかし、実際はたくさん道があるし、自分にはそれを乗り越える能力もあるのに、ないと決めつけているのは「脳」です。

 

自分で自分の道を奪っているのも「脳」の仕業です。

 

引き寄せの効果が無いと感じる理由の1つに「脳」の仕組みで現状維持をするために、過去も今も未来も捻じ曲げて理解しているという可能性がありそうではないですか?

 

引き寄せの効果が無い世界を見せられている。効果が無い世界にいたい。だけかもしれないです。

 

前回も書きましたが、脳と言うのは見たい世界を見るために情報を選んで取り入れている。そして今回の記事に書いてあるように「右脳」と「左脳」は、物事をそのまま理解するように働いている可能性は少ない。

 

脳の仕組みを知りながら少しずつ自分の思い込みや感じ方、考え方を変えていく方法を知ると願っている生活を引き寄せられてしまいます。

 

あなたが悪いのではなく、脳に騙されているだけ。

まとめ ~右脳と左脳の働き~

① 右脳と左脳とは?
おおまかに分けて右脳と左脳があり、右脳は感覚を左脳は言語を担っている。
② 脳梁とは?
脳梁は右脳と左脳を橋渡ししている神経線維。
③ 右脳と左脳は別々の考えを持っている
④ 左脳は、知識を繋げて理論的に納得いくようにしている。

この記事の執筆者

井上千花
井上千花
潜在意識コーチ 井上 千花(ちぃ)

20代から引き寄せの法則にはまり没頭するも、なんら人生が変わることが無かった経験から、現実世界を意識すると共に、潜在意識などを1から実践。
さらに、20年以上治療家として1万人以上のセッションを通して「誰でも奇跡を起こすことができる」ことを確信する。現在ではコーチとして活動中。過去の自分のように悩む方のために心と身体のサポートに力を入れている。